ゆき 文・ユリー・シュルヴィッツ 訳・さくま ゆみこ あすなろ書房
SNOW by Uri Shulevitz, 1988 |
灰色の空から雪が一片舞い降りた。「雪が降っているよ」と男の子は言った。
町の人々は「これっぽっちじゃ、すぐに溶ける」と言うが、雪は後から後から降ってきた。
雪が降ってきて思わず外へ駆け出した男の子の楽しそうな顔、
男の子がマザーグース書店の看板の人達を誘って踊りだす絵、
こっちまで楽しくなる素敵なお話です。雪が積もっていく街の景色が素敵です。
★★★ 平成14年度 日本絵本賞 翻訳絵本賞受賞作紹介賞
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とべ バッタ 作・田島 征三 偕成社 1988
| 茂みに隠れ住むバッタの周りには恐ろしい天敵がいる。
カエル、カマキリ、クモ、蛇。ある日、怯えながら暮らすのが嫌になったバッタは決意した。
最初のページに仲間のバッタを食べるカエルの絵、次のページにはカマキリに食べられた
残骸の絵、と迫力のある絵が続きます。飛び立つ瞬間の躍動感、荒地を越える姿はとても誇らしげに見えました。
★★★ 1988年 第11回絵本にっぽん賞、ボローニア国際児童図書展グラフィック賞推薦賞
、小学館絵画賞受賞。 |
うたがみえる きこえるよ 作・エリック・カール 訳・森 比左志 偕成社
I sea a song by Eric Carle,1973 |
黒い男がお辞儀をしバイオリンを演奏し始める。すると鮮やかな色や形が飛び出し、ハーモニーとなって踊りだす。
「空想の翼を広げて絵本の中の歌を見てごらんなさい」
美しい穏やかな音楽が聞こえるようでした。最後に黒い男は鮮やかな色に染まります。
同じ絵でもこんなに印象が違うのは、美しい音楽を見た後だからでしょうか?
★★★ |
やどかりのおひっこし 作・エリック・カール 訳・森 比左志 偕成社
A House for hermit crab by Eric Carl,1986 |
1月、ヤドカリの貝殻の家が小さくなった。2月、地味だが丁度良い殻を見つけ引っ越した。
3月、綺麗なイソギンチャクに住んでもらった。ヒトデ、サンゴなど海の仲間のお陰で、
10月、立派な家が出来上がった。11月、殻が小さくなりまた引っ越さねばならなくなった。
周りに親切にされた経験が、勇気をもって前進する力に、
大好きな友達を思いやる優しい心に変わります。ひと回りもふた回りも大きくなったヤドカリの素敵なお話です。
★★★ |
まだかんがえるカエルくん 文・いわむら かずお 福音館 1998
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「この道は誰の道?どこに続く道?」「カエル君、ねずみ君の好きなもの」「心はどこにある?」の三篇
素朴な疑問が可愛いですね。カエル君の好きなものに
「蚊」「アブ」「クモ」とか「草むらの日陰」「畑の日陰」「田んぼの日陰」・・・
笑ってしまいますが、ホントそうですよね。心はどこにある?では5歳の息子も真剣な眼差しです。
そいうい私にだってわかりません。
★★★ |
もっとかんがえるカエルくん 文・いわむら かずお 福音館 2002
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「夜はどこから来るの?」→「夜は静かだね」→「みんな寝るからだ」→「なぜ夜寝るのか」
→「昼起きているからだ」。他「カエル君の夢、夢は誰が考える?」
夢には二つあったんですね、起きている時の夢と寝ている時の夢。
★★★ |
あたし クラリス・ビーン 作・ローレン・チャイルド 訳・木坂 涼 フレーベル
Clarice Bean That's Me by Lauren Child,2002
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お姉ちゃんのマーシーも、思春期のお兄ちゃんも自分の部屋があるのに、クラリス・ビーンは弟のミナルと
兼用。静かな場所にいたいと思っても庭にはロバート・グレンジャーがやってくる。
夕食の時、ミナルと喧嘩して、スパゲッティを頭からかけた罰として3時間も部屋に閉じ込められた。
腕時計持ってないからペンで描いちゃったという、キャラ(?)のクラリス・ビーン、
家族や友人を冷静に観察しているのが面白いです。
★★★ 1999年 スマーティーズ賞。 |
あたしの惑星! クラリス・ビーン 作・ローレン・チャイルド 訳・木坂 涼 フレーベル
What Planet Are You From Clarice Bean? by Lauren Child,2001
| ウィルバートン先生は、「環境」について宿題をだした。
普段、行動をおこさない兄のカートンが「自然破壊をくいとめる」と言って木の上で抗議を始める。
「家の真上には大きな穴が開いていると思う、お姉ちゃんがヘアスプレーを使いすぎるから」
こんなフレーズも、クラリス・ビーン独特の観察眼で好きです。
★★★ |
るすばん 文・さとう わきこ 福音館 1995
What if there may be phantoms in my house by Wakiko Sato,1995
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おつかいの続編か? 今度は買い物に行きたかったのに、「るすばん」を頼まれた女の子とネコ、ねずみ。
本のお化け、布団のお化け、煙お化け、便所お化けが出てきた時のために、家中を散らかして陣地を作る。
最後にやっぱりおつかいを頼まれて、外に出たら雨ってところが笑えます。
「おつかい」と「るすばん」のお話が輪になって、どっちから読んでもお話は終わりません。
★★★ |
ゆうこのあさごはん 作・やまわき ゆりこ 福音館 1971
| 朝ご飯のゆで卵が、ゆうこを冒険に誘う。小さくなったゆうことゆで卵は、庭に出て木を登り空を飛ぶ。
七夕で「空が飛べるようになりたい」と書いた息子(5歳)は、目をまんまるくして「いいなぁ〜僕も飛びたいなぁ〜」
アクシデントやトラブルもなくかわいい冒険のお話です。
★★★ |
しまうまのしゃっくり 作・デーヴィッド・マッキー 訳・矢川 澄子 徳間書店
Zebra's Hiccups by David McKee, 1991 |
シマウマのゼブくんのしゃっくりが止まらなくなった。あんまり、しゃっくりをしたので縞模様が動き出して偏ってしまった。
縞の偏ったゼブくんはパンダみたいで滑稽です。色々な動物たちが
「しゃっくりの止め方」をアドバイスしますが個性的です。
★★★ |
わたしのうみべ 作・長 新太 佼成出版社 2002
| 私の海辺に流れ着くもの、木や瓶や傘やお化け。
一体何が流れてくるのでしょうか?いつものことながら、期待しながらぺージをめくります。
★★ |
わっしょい わっしょい ぶん ぶん ぶん 作・かこ さとし 偕成社 1973
| 欲張りアクマは、皆が楽器で音楽を楽しむのが羨ましい。
そこで、アクマは魔法を使って国中の楽器を盗んでしまう。皆は、代用品や手作りのもので
「ちょっと変な楽器」を作りまた楽しんでいる。 私は数えていませんが、
人物が1094人、動物が465匹、物や道具が294種類描かれているそうです。とても賑やかな絵本です。
★ |
ムッシュ・ムニエルとおつきさま 作・佐々木 マキ 絵本館 2001
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魔術師のムッシュ・ムニエルは女の悲しい歌声を空き瓶に吸い込んだ。それに火をつけると、
花火が上がって月が落ちてきた。ニッチモ博士とサッチモ博士は月を横取りし、研究室に逃げ込んだ。
ムッシュ・ムニエルのお話はちょっと出鱈目で不思議なのがおもしろいですね。お空にお月様がいっぱいで楽しい話です。
★★ |
ろくろっくび 作・せな けいこ 童心社 1995
| 隣に引っ越してきた おはなちゃん はろくろっ首だった。 かわいいお化けです。
★ |
ワニのライルがやってきた 作・バーナード・ウェーバー 訳・小杉 佐恵子 大日本図書 1
THE HOUSE ON EAST 88TH STREET by Bernard Waber, 1962
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東88番どおりに越してきたプリムさん一家は、風呂場でワニをみつけてびっくり。でもすぐに仲良くなり、
楽しく暮らしていると、育ての親が、ライルを引き取りにくるという。
ワニのライルシリーズ、まずはこれを読まないとね、
★★★ |
ワニのライルとなぞの手紙 作・バーナード・ウェーバー 訳・小杉 佐恵子 大日本図書 4
LOVABLE LYLE by Bernard Waber, 1969 |
人気者のライルに「大嫌い、敵より」という謎の手紙が届く。ライルが愛想を振りまいたり、親切にしたり頑張るが
謎の手紙は続く。やがてそれが、引越して来たばかりのクローバからの手紙だとわかる。
お母さんに「ワニと遊んではいけない」と言われているという。
人気者に嫌がらせの手紙だなんて、最初から謎だらけですぐにお話に夢中になりますね。
★★★ |
バートさんの大ぼうけん The Adventures of BERT by Allan Ahlberg ,2001
文・アラン・アールバーグ 絵・レイモンド・ブリッグズ 訳・山口 文生 評論社 2001 |
バートさんの3つの冒険のお話。スコットランドまで行ったり、大きなソーセージに追いかけられたり
、川で流された子犬を救おうとしたり。バートさんは、泳げないことを忘れて飛び込んだ。
★ |
きつねにょうぼう 再話・長谷川 摂子 絵・片山 健 福音館 1997
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貧乏な男の家に嫁に来た女は実は狐だった。息子の てってっこうじ が3歳の時、正体がばれて
山へ帰っていく。ある夜、狐の歌う声がして 男とてってっこうじが 田んぼへ行くと狐が田植えをしていた。
いちご さけた どっぺん=一期 栄えた おしまい めでたしめでたしの意味。
なじょうも=いくらでも(長岡弁)、田んぼうちにいくすけ=田んぼに行くから(長岡弁)
★★★ 1998年 日本絵本大賞 |
は がぬけたとき こうさぎは Little Rabbit's Loose Tooth by Lucy Bate,1975
文・ルーシー・ベイト 絵・ディアン・グロート 訳・河津 千代 リブリオ出版 |
子ウサギの歯がぐらぐらしていた。チョコレートアイスを食べたら ポロリと抜けた。
お母さんウサギは「枕の下に入れておいたら、フェアリーが歯の代わりに プレゼントを
おいていくの」と言う。フェアリーがいないと思っている子ウサギは、
ネックレスや壁掛けを作ろうかとも考える。
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