いたずらハーブえほんのなかにおっこちる
作・ローレン・チャイルド 訳・中川 ちひろ フレーベル館
Who's afraid of the big bad book by Lauren Child ,2002
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ハーブは絵本が大好き。ある夜、本を開いたまま寝てしまい、
目覚めると(トルストイの)3匹のクマの家に居た。
ハーブはおとぎばなしの森を通り、舞踏会が開かれているお城へ行った。
昔、いたずらで、おきさき様にはヒゲを落書きし、王様の椅子や王子を切り抜いたので、
絵本の中は大騒ぎになっていた。
傑作です。トルストイの3匹のクマ、ヘンデルとグレーテル、
グリム童話のラプンツェル、長靴をはいたネコ、シンデレラと次から次へ有名なお話が登場します。
自分が貼り付けた電話に追い詰められ、スリルや迫力も満点。
床に穴を作り 次のページに飛び込む所に、本当に穴があいているのもユーモラスです。
小さいときに絵本へ落書きしたことはあるだろうけど、もしこんな話があったとしたら・・・。
本へイタズラするのはやめましょうね。
★★★ |
ペットになりたいねずみ
作・ローレン・チャイルド 訳・木坂 涼 フレーベル館
That pesky rat by Lauren Child ,2002
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薄汚れたゴミ箱に住み、スナック菓子の寝袋で生活するドブネズミは、誰かのペットになり
名前をつけてもらいたかった。ある日、目の悪いミスター・フォーテスキューが、そのドブネズミを
ネコだと思ってペットにする。
ペット達から「ペットの暮らしも楽じゃない」と聞きながらも
ペットになりたいねずみのお話。もしかして、ペットはこんな風に人間を見ているのかもしれない
ね。 ★★★ |
モグラくんとセミのこくん 作・ふくざわ ゆみこ 福音館2001 こどものとも185号
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もぐらくんとセミの子君は、土の中で出会い楽しい生活を始めた。
ずっと一緒に暮らすはずだったある日、セミの子くんが、息苦しいと言って動かなくなった。
もぐら君は、セミの子くんの羽化に気づき、おおあわてで外へ連れ出す。
別れが来ることを知りながら、友情を深めあう二人。
楽しく過ごす四季の移り変わり、別れの時が近づく様子、羽化を見守るモグラくんの不安気な寂しい気持ち、
それを打ち消す元気なセミの声、それぞれの未来へ旅立つ姿、ドラマチックな絵本でした。
★★★ |
ひゃくにんのおとうさん 再話・譚 小勇・天野 祐吉 絵・譚 小勇 福音館2000
The wonderful jar by Tan Xiao Yong,2000 こどものとも174号
| 働き者の若い夫婦は、物を一つ入れると、百個に増えるという不思議なかめ(瓶)を見つけた。
100個になった笠や鉄なべを村人に配るうち噂が広まり 威張った地主が横取りにやって来る。
地主がろうそくの火を瓶に落すと大火事に、火を消そうと水をかけると洪水になる。
騒ぎを聞きつけてやってきた地主のおとうさんが 瓶を覗き込んだ。
ほうら、やっぱり。そこいらじゅうに、地主のお父さんがうじゃうじゃ。
あれからどうしたんでしょうね? クローンおとうさん、結構怖いですね。笑
★★中国の昔話
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もりのかくれんぼう 作・末吉 暁子 絵・林 明子 偕成社 1978
| けいこが公園で遊んだ帰り道、近道をすると大きな森があった。
そこで、「かくれんぼう」という男の子と森の動物達と楽しいかくれんぼうが始った。
隠し絵が絶妙でした。時間をかけてぺージとにらめっこ。森の背景に同化した
動物達を目を凝らして探しました。楽しい絵本でした。
★★★ |
うみのカラオケ 作・スズキ コージ クレヨンハウス 1996
| 鯛が海辺で「大漁節」を歌っていると、犬のゴロハチが駆けて来て「カミナリゴロちゃん」を歌う。
ゴロハチの飼い主まてこさんや、たこのはっつあんが集まり、舟木君の船に乗って海の上でカラオケ大会が始る。
人が歌っていると歌いたくなりますよね。ナンセンス絵本。
スズキコージさんの絵がダイナミックです。 ★ |
あわてんぼ らいおん 文・八木田 宜子 絵・長 新太 徳間書店 2002
| 海でおぼれた人を助けたライオンが救急車を見て、
自分が注射されるのかと勘違いして逃げる。 ★ |
どろにんげん作・長 新太 福音館 こどものとも 500
1997 |
どろにんげんと、たこがお芋を取り合いしていたが、協力して美味しい芋を食べることに・・・。
火山で芋をふかすなんてスケールが大きいですね。 ★★ |
ありとすいか 作・たむら しげる ポプラ社 2002
| ありが大きなすいかをみつけ、巣に運ぼうと仲間を呼んだ。びくとも動かないので
切り出して運びだす。 巣に入りきらないほどの大きなスイカを、小さなアリが連携プレーで
頑張ります。「あとは食べちゃおう」「アリのウォーターシュートだ!」と皮で遊ぶ様子が楽しいお話です。たむらしげるさんの処女作。
★★ |
わたしがおひさまだったら 作・片山 健 福音館2004 こどものとも584号
| 私がお日様だったら 鳥に歌えと、花に咲けと、犬に走れと、野菜におおきくなあれ、
美味しくなれと 笑って遊ぶ。 元気な女の子のエネルギーがどんどん伝わって、こちらまで
元気になりそうです。 ★ |
しごとをとりかえたおやじさん 再話・山越 一夫 絵・山崎 英介 福音館1974
The husband who was to mind the house-from a Norwegian Folktale こどものとも167号
| おかみさんのやることが気に入らず、がみがみ怒るおやじさん。おかみさんは、家事と牧草を刈る仕事を交換しようと申し出る。おやじさんは、
大喜びで家事をしたものの失敗の連続で、最後は牛と宙吊りになる。 るすばんをしたオルリック(デビッド・マッキー)と同話
★ノルウェーの昔話 |
トイレとっきゅう 作・織茂 恭子 福音館2002 こどものとも554号
| おしっこをしようと、トイレを開けたら、トイレはおやつを持って
遠足に出かけてしまう。急いで追いかける。
楽しくおしっこしていい気持ち。
トイレトレーニング中に読むといいかもしれませんね。
和式トイレの絵もでてくるので、和式が苦手な子どもにもいいかも?
★★★ |
おいしそうなバレエ
作・ジェームズ・マーシャル 絵・モーリス・センダック 訳・ さくま ゆみこ 徳間書店
SWINE LAKE by James Marshall,1999
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冴えないオオカミが道に迷い、美味しそうなブタのバレエ劇場「白ブタの湖」にたどり着く。
劇場に紛れ込み、ブタを食べるチャンスを狙うが、すっかりバレエに見入ってしまう。
モーリス・センダックさんが友人ジェームズ・マーシャルさんの
遺稿に絵をつけて出版したものだそうです。絵の中にある様々な看板、新聞の字は、
ジェームズさんを偲ぶ想い出の数々が由来になっているそうです。
★★★ |
よあけ 作・ユリー・シュルヴィッツ 訳・瀬田 貞二 福音館
DAWN by Uri Shulevitz,1974
| 音もなく静まり返る夜明け前、夜が明けるまでの絵本。
音や匂いまでもが伝わってきそうなくらいの絵と多くを語らない文。
暗い色彩が少しずつ色がつき始め、そして夜が明けた瞬間。ちょっと感動しますね。
★★★ |
あめのひ 作・ユリー・シュルヴィッツ 訳・矢川 澄子 福音館
RAIN RAIN RIVERS by Uri Shulevitz,1969
| 町に降る雨、野山に降る雨の話。
詩のような美しい文と寒々とした色合いの挿絵で綴られています。雨は生きるものへ
活力を与えていきます。私が好きなフレーズは「みずたまりは そらの かけら ぴょんと とびこそう」
★★★1969年 アメリカ図書館協会 選定図書 |
いぬ おことわり 作・マーガレット・W・ブラウン 絵・H・A・レイ 訳・ふくもと ゆみこ 偕成社
DON'T FRIGHTEN THE DOG by Margaret Wise Brown,1942
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犬とその飼い主は動物園へ行った。しかし、動物園で「いぬおことわり!」と門前払い。門番が人間の子供みたいなら・・と言うので、
飼い主は犬の毛をカットし、ワンピースや帽子をかぶせて変装させる。
★★ |
あんなところに 作・井上 洋介 福音館 こどものとも 571
2003 |
「あんなところにミンミンゼミ」と演奏中のバイオリンに止まっているセミ。
「あんなところにオオカタツムリ」と道路を大渋滞させている巨大カタツムリ。
ページをめくるたび、「あんなところに」何かがいる。
ナンセンス絵本。そんなのあるわけないじゃない!という気持ちになりながらも、
子供にはオオウケです。こんなのあったらいいなぁ、こんなのあったらびっくり、楽しいお話でした。
★★ |
ふしぎなおみせ 作・井上 洋介 福音館 こどものとも 172
2000
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渦巻屋さんから、渦巻を一つもらってハンドルにしたり、波屋さんから波をもらってプールで海水浴。
こんなお店屋さんがあったらどうしようか? とワクワクしますね。
★★ |
きつねえんでおべんとう
作・こわせ たまみ 絵・秋里 信子 PHP |
ゆうちゃんは、もうすぐダムの底に沈むもみじ幼稚園の庭跡に来た。
滑り台では、知らない子供達に化けたキツネが遊んでいた。
うたた寝中の出来事で、夢か本当かわからないのだけど、
素敵なお話です。 ★★ |
ハワイの3にんぐみ
作・笹尾 俊一 講談社 1997 |
ハワイの小さな島で、ブタのカマカニとウマのカイリとヤギのアロハが暮らしていた。仕事もせず浜辺で
島の歌を歌っていた。ある日、カマカニが捕まり、アロハが島中の魚と引き換えに助ける。
カマカニはカイリと島じゅうの鳥と引き換えに、カイリはアロハと島じゅうの花と引き換えに助けあう。
三人は無事に歌を歌えるようになったけれど、いつも聞いてくれた
魚も鳥も、風も花もなくなってしまいました。戻ってきたのは三人組が死んでからだなんて、
ちょっと皮肉なお話ですね。ハワイ語で「カマカニ カイリ アロハ」は「風が連れ去った
大切なもの」という意味だそうです。1996年、第18回講談社絵本新人賞を受賞。
★★★ |
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