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あまん きみこ
Kimiko Aman


1931年 旧満州に生まれる。敗戦で帰国。日本女子大学児童学科。「びわの実学校」同人。 主な作品「ひつじぐものむこうに」「きつねみちは天のみち」 「こがねの舟」「おっこちゃんとタンタンうさぎ」「だあれもいない」

「車のいろは空のいろ」で日本児童文学者協会新人賞。
「ちいちゃんのかげおくり」で小学館文学賞。
「ぽんぽん山の月」で絵本日本賞受賞。
「おっこちゃんとタンタンうさぎ」で野間児童文学賞。
2001年 紫綬褒章受章。
あまんきみこさんの絵本は、悲しく切ないやるせないものが多いですね。 大切な人を失い、残された者は悲しみを背負いながらも、 前を向いて生きなきゃならないという人の一生の儚さを感じました。


オススメ度 ★〜★★★
おにたのぼうし  絵・いわさき ちひろ ポプラ社
節分の夜、気持ちの優しい鬼のおにたは、行くところがない。ツノを隠す麦わら帽をかぶって、歩いていたら、 豆まきをしていない家をみつけた。隠れて様子を見ていると、女の子と病気のお母さんがいた。女の子が何も食べていないのを知ると、 おにたは人間の男の子のふりをして、ご馳走を届ける。
「鬼にもいろいろあるんだけどな、、」おにたの気持ちは人間に届きません。 そっと姿を消すおにた、ちょっと切ない節分のお話です。
★★★


ねんねんねん  絵・南塚 直子  小峰書店
秋の終わりに、えっちゃんがみつけた白い蝶々。元気になってと、サザンカのお花に置いたけれど死んでしまう。 えっちゃんの悲しい涙が、川になって林の方へ流れていく。「ねん ねん ねん ほーい ほーい」
消えていく命と、春を待つ新しい命のお話。美しくて、悲しいお話でした。
★★★


おりがみのはらであそびましょう  絵・南塚 直子 小学館
えっちゃんが折った折り紙のウサギが、本物のウサギになって駆け出す。夢中で追いかけて行くと、いつの間にか、 林を抜けて「おりがみのはら」へ出た。そこに居た女の子と、一緒に折り紙を折る。ふーっと息をかけると、本物になる。


だんだんやまのそりすべり 絵・西村 繁男 福音館
ソリ滑りが苦手な「いっちゃん」、友達は先に滑り降りてしまい、一人取り残された。そこに、動物達がソリ遊びにやってきた。 そして、一匹取り残されたキツネの「いっちゃん」。名前が同じ者同士、ソリが苦手な者同士、 すぐに仲良くなって、ソリの稽古を一緒に始める。
一人ぼっちだと思っていたら、仲間がいたなんて。似た者同士、苦手を克服して良かったね。
★★


おはじきの木  絵・上野 紀子 福音館
木の下でおはじきをしながら死んだ母と弟をずっと待った女の子。その話を聞いたげんさんは、 自分の娘、かなこだと確信し、にれの木の所へ行った。そこで、不思議な体験をする。
げんさんの深い深い悲しみがひしひしと伝わります。戦争関係の絵本は、読み聞かせしながら 泣いてしまいます。
★★★


すてきなぼうし 絵・黒井 健 あかね書房
ななちゃんの帽子が、春風に飛ばされて、あひるのガーコ母さんの買い物カゴになったり、こねずみ達の揺りかごになる。
未就園児向け


ちいちゃんのかげおくり  絵・上野 紀子 あかね書房 
お父さんの出征が決まり、よく晴れた日に、家族が手を繋ぎ、「かげおくり」をする。地面の影ぼうしを じっと見つめ、 それから空を見ると、そっくり残像が 映るという「かげおくり」。それは 大きな記念写真だった。 戦争の空襲で家族とはぐれ、 やがて一人ぼっちになり、死んでいった子供のお話。
もう、涙・涙・涙。
★★★


ぽんぽん山の月  絵・渡辺 洋二  文研出版
ぽんぽん山の子ウサギたちは、母ウサギの帰りをお腹を空かして待っていた。親ウサギが猟師に撃たれたのを 知っていたやまんばは、団子の包みをそっと置いて行った。それを秋風の子は見ていた。 そんな、みんなの様子を、 全部、お月様が見ていた。「気を付けてお帰り、いい夢ごらん」
このお話も大好きです。 優しさのリレーがお月様に届いて、最後にあったかい気持ちになりました。
★★


まほうのマフラー 絵・マイケル・グレイニエツ  ポプラ社 
弱虫なとむくんが、父さんの緑のマフラーをした。元気が沸く、速く走れる、友達もできる魔法のマフラーだった。 勇気や力を与えてくれた マフラーが、春の木の葉になり、やがて、マフラーなくても、生きていけるようになった。
最後ページのの青空は、空の上にいる暖かい父親の存在感と、親を亡くした子供が、寂しさから立ち直り、前に向かって ずんずん突き進むエネルギーを象徴しているように感じました。
★★



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