害虫とは、人間に悪さをする虫のことである。中には、自然環境の中で立派な(?)役割を果たす 害虫もいるのだが、この害虫だけは、生存価値が見い出せない。不快害虫、ゴキブリである。
　私の育った、北海道では、ゴキはいない。道南や、汚い場所にはいるらしいが、 少なくとも、私の行動範囲内で、おめにかかったことはない(※1)。 十年前に、新潟にきて生まれて初めて見たのだ。
　それは、ある晩のこと、隠れスモーカーだった(※2)私は、旦那の入浴中に ベランダへでて、一服するのが常だった。その日も、一服を終え、 家の中へ入ろうとした時、奴もいっしょに入ってきた。 ゴキ野郎である。奴は、壁を這い、押入れの襖で止まっていた。 ドキドキしながらも、ティッシュの箱をもち、そーっと近づいた。 「もし、ここで潰したら、ゴキのシミが襖につくわ、、、」 そんな私のためらいを、悟ったのか、あっという間に、押入れの中へ逃げこんでしまった。 し方がない、今晩はゴキと同居だ。夜中、でてこない事を願いながら、 さっそく、翌日「ゴキブリホイホイ」なるものを買ってきた。 これで手を汚さなくて済む。押し入れは勿論、台所から、冷蔵庫の隙間、水場の隅、 考えられる所に、設置した。
　次の日、まんまと、押入れの罠にかかっていた。アブラぎった奴の顔を、よくみると、 触覚が動いている。気持悪いので、袋にいれ、しっかりと結び、生ゴミと一緒にゴミにだした。 数日して、他の設置してある「ホイホイ」をかたづけようと、 集めてたら、な、なんと、冷蔵庫の罠にもう一匹いるではないか・・・。唖然とした。

　ある日、セーターをだしたら、大きな穴が開いていた。「やられた、、」 と、次のセーターを見ると、いるではないか！カツオブシムシが・・・・。 結局その引出しには5匹もいた。 さっそく、パラゾールを購入した。引出しや、収納ケースなどに ２〜３個ずつ入れ、その部屋はぴしゃりと閉め隔離した。 しかし、問題は深刻である。成虫が5匹いたという事は、 卵や幼虫や、他の成虫も潜んでいる可能性がきわめて高い。
　予想通り、数日後、居間の方へ逃げ延びてきたカツオブシムシ君を発見。 しかも、カップルで、子孫繁栄計画を画策している最中ではないか！ カップルは冬のベランダへ強制退去。 こっちの押入れを死守すべく、パラゾールを設置した。 しかし、どうやら、潜伏先は押入れらしい。 カツオブシムシは、夜になるとでてくる。、 苦しくなって、水を飲みにくるのか（？）押し入れの横にある窓の結露水にやってくる。 そして毎朝、そこで溺死しているのだ。 そろそろ春がきて、結露もなくなる。今度はどこへ、逃げるのだろう。 残念ながら、まだカツオブシムシくんの、絶滅宣言はでていない。

害虫との戦いは終わらない。