雑記帳




次男の悲劇


 その1 次男がまだ赤ちゃんだった頃に、吐き下だしの風邪をひいた。 吐いたり、下痢をしたり、冬場に流行する風邪だ。まだオムツをしていたので、下痢便でお尻がかぶれてくる。 風呂場で丁寧にシャワーで洗い、タオルで拭き、よく乾かすことが、かぶれ対策に有効だ。 友人にはドライヤーで乾かす人もいるが、私は少しの間、オムツをつけずに乾かす。 その日は、オムツ替えの回数が激しく、つけずにいる事を忘れていた。 見ると、奥の部屋の床のところに、水状の下痢便が広がっていた。 しかも、手でグチャグチャとかき混ぜたあともある。 驚いて、次男を見ると、その手の指をしゃぶっていた。 悲鳴をあげたのはいうまでもない、すぐにかかり付けの小児科医に電話をすると 「まあ、自分のものを、また入れただけですから、大丈夫でしょう、、、」


  その2 次男はケガも多い。2歳半はなれた兄貴と同じ気分になっていることが多いからか。 母親が油断しすぎるのか、頭が大きくて重いせいなのか、ケガが多い。
初めの流血事件は転んだ拍子に、あごをぶつけた時である。自分の上の前歯で 口の中からあご(下唇から1センチくらい下の部分)へ貫通切傷した。 口と貫通したアゴは、見るだけでおそろしい。 すぐに病院へ処置してもらいに行ったが、口の中なので処置できません、とのこと。 赤ちゃんなので、部分麻酔では動くため、縫合は不可能。全身麻酔してまで、処置すべき傷でもない。 化膿止めの飲み薬と塗り薬が、だされただけだった。納得できずに、私は、かかり付けの小児科医に電話をした。 「刃物の類で切れた傷は治りも早いし、綺麗になおりますよ。外におちてた、刃なら感染症も心配ですが、 自分の口の中の菌なので心配いらないでしょう」言われたとおり、数日後には穴はなくなっていた。


 その3 2段ベットから落ちたことがある。 頭と体のバランスが悪いので、覗きこもうとして簡単に落ちるのである。 たまたま下に布団があり、事無きを得たかと思ったら、 おちるときに枠にぶつかったようで頭部裂傷であった。 頭部は流血がおびただしい。タクシーを呼んであわてて外科へ行ったが、 ついた頃には、血は止っていた。先生は「落ちちゃいましたかぁ〜アハハ・・・」と笑い、 ホチキス2個で傷口をとめた。「お母さん、後遺症が残ります、ハゲます」 母親の緊張を察して、優しく接してくれる、とてもいい先生だった。 よくある事だが、医者や看護婦さんが、オロオロしている母親を責めることがある 「お母さん、ちゃんと見ていたんですか?」と。 それでなくても、自責の念と後悔でいっぱいの母親は、 自信を失い罪悪感の底無し沼へひきずりこまれるのだ。 ケガをしたらまたこの外科に来ようと思った。(ケガは、もうコリゴリだが・・・)

その4 幼稚園に入った年少の頃はほぼ毎日、転んでおでこにタンコブを作り、 湿布を貼ってもらって帰ってきた。 毎朝、送り出すときには「転ぶ時は、手をつくんだよ」と、 言い聞かせていた。
ある日、幼稚園から電話がはいり「トランポリンから落ちて 頭から血がでました。病院へ連れて行って処置をしました。もう大丈夫ですので、 園バスに乗せて返します」とのことだった。バスから降りてきた息子は、白いネットの帽子をかぶっていた。 数日後、病院で抜糸をしてから、幼稚園に連れて行く事にした。 病院では看護婦さんに「この子、全然泣かなかったのよ、えらかったわ」と褒められた。 処置室で先生に「○○君は、泣かなくって立派でしたよ」と褒められた。 幼稚園では、病院につれていってくれた バスの運転手さんが 「すごいんさね。全然泣かないんさねー」と新潟弁で教えてくれた。 教室に行くと担任の先生が 「○○くん、すごく血が流れているのに、泣かないんですよ。 日頃、痛いのに慣れているせいでしょうかね〜?」それって、褒められたのだろうか?


どうか、治るケガはたくさんしても、治らないケガはしてくれるなよ、、、、と願うのみである。



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2003/04/21